こんにちは! ぴえ郎です!
自分は『思考力』があると思いますか?
はたまた自分には『思考力』が皆無だと思っていますか?
今回紹介する寓話は、思考をめぐらせることの大切さを教えてくれる寓話です。
目次
鶏と犬と狐
この寓話を通じて、
- パニックの危険性
- 思考手順の考え方
- 再思考術
を紹介します。
それでは、あらすじへ。
あらすじ
仲の良い犬と鶏が一緒に旅をしていた。
夜になったので鶏は木に登って枝に止まり、犬は木の下のうろで眠った。
夜が過ぎ、朝日がさしてきたので鶏はいつものように大きな声で時をつくった。
それを狐が聞き、
「こいつを食ってやろう」
とやってきて木の下に立つと、
「お前は人の役に立つ良い鳥だ。降りておいで、一緒に歌って楽しもう。」
と言った。
すると鶏は、
「兄さん、木の根っこのところの用心棒によびかけてごらん。きっと戸を開けてくれるよ。」
と返した。
狐が声をかけにいったところ、いきなり犬が飛びかかり狐をズタズタに引き裂いてしまった。
危機の対応力
この寓話の教訓は、「賢い人は、災いが襲ってきても容易に対抗する」ということです。
鶏にとって狐は天敵です。その狐が近づいてきたということはその後の自分の運命を察することが容易でしょう。
しかし、鶏は冷静に自分の状況とやるべきことを瞬時に考え自分に最適な行動をとったので生き延びることができました。
このようにどんなに絶望的な状況のときに陥りやすいのがパニック行動です。
パニックは、恐怖心や焦り、不安感、緊張などの感情の激しい乱れにより、脳が冷静な判断ができなくなり単純な思考しかできなくなってしまいます。
例えば、
火事を発見した時
パニック中だと
- いつもの出口から逃げる
- 大勢の向かっている出口から逃げる
などの思考しかできません。それに比べ、
冷静だと
- 避難経路の選択肢は?
- 初期消火は?
- 119番通報は?
- 煙対策は?
など周囲の状況を判断し、的確な行動をとるために脳をコントロールすることができます。
パニック時の脳の仕組みや対処法はこちらの記事に書いてあります。
なぜ緊急時に頭が真っ白になってしまうのか?脳の仕組みとその対処法
鶏と犬と狐の寓話の鶏は、自身の危機的状況であってもパニックを起こさずに冷静に判断することができました。
それぞれの思考と行動
それでは、寓話内の3匹はそれぞれどのように思考し、行動したのか。
考察していきます。
鶏の思考
鶏はいつもの習慣で大きな声で時をつくりましたが、そのせいで狐に狙われてしまいました。
- 狐は話をしたいと言っているけれど自分を襲おうとしている可能性がある。
- 狐は木に登ることが可能である。
- 狐は犬より弱い。
- 狐は犬に気づいてはいない。
- 犬は起きているか寝ているかわからない。
となります。
そして犬が起きているのか寝ているのかが重要であることに気づき、犬について思考をめぐらせます。
- 今にも飛び出してきて狐を捉える
- 狐が気づき、逃げられる。
- 状況を判断するために息をひそめ、自分(鶏)がどんな行動をとるか見極める。
- 自分(鶏)で何とかしなくてはいけない。
- 起こすために大きな声で会話する。
この3パターンを考えるはずです。
このことから、
- 犬が寝ている可能性を潰すために大きな声で会話する。
- 犬が勝手に飛び出だしてこないように「犬」とは言わずに「用心棒」として存在を隠す。
- 狐に逃げられないために、犬ではなく狐から犬に近寄らせる。
という行動をとりました。
犬の思考
最終的に犬は起きていました。
- 狐は鶏を襲おうとしている可能性がある。
- 狐は自分(犬)の存在に気づいてはいない。
- 狐は木に登ることができる。
- 狐は自分(犬)より弱い。
- 鶏は自分(犬)が起きていることを知らない。
- 今飛び出せば捉えることができるかもしれないが逃げられる可能性がある。
となります。
そして、鶏が自分(犬)が起きているか寝ているか知ることが重要だと気づき、鶏について思考をめぐらせます。
- どうにかして起こそうとしてくるはず。
- 勝手に飛び出して狐を逃がすのを危惧している。
- 黙っているだけで状況を読もうとしているのが伝わる。
と考えるはずです。
このことから、
- 鶏に起きているか寝ているかを伝えることは不可能
- 狐に気づかれないために黙っている。
- 自分から行動せず、狐に隙ができたときに捉える。
という行動にでました。
狐の思考
美味しそうな鶏を見つけました。
- 腹減った
- 鶏うまそう。
- 鶏はバカだから一緒に楽しもうと誘えばノコノコついてくる。
このことから、
- 鶏を一緒に楽しもうと誘う
- 用心棒?
- 用心棒も一緒にいただこう
という行動にでました。
狐が考えるべきだった思考と行動
鶏や犬と狐の思考の違いは、「自分以外の生き物の思考と行動を予測しなかった」ところです。
鶏や犬は、お互いの思考や行動を深く予想し、自分の行動を決めました。
しかし、狐は自らのことしか考えておらず、鶏の思考も自分勝手に予想しただけでした。
では、狐はどのように思考すれば最悪の事態を免れたのでしょう?
- 自分(狐)は鶏の天敵。
- 鶏は自分(狐)が襲おうとしているのを気付いている。
- 危機的状況なのに落ち着きすぎている。
- 鶏の仲間がいる可能性は?
- 落ち着いている鶏が言っていた用心棒とは?
- その用心棒がいるから鶏は落ち着いていられる。
- 用心棒は自分(狐)よりも強い存在である可能性が高い。
と考えることができます。
なので、木の下のうろを覗く前に全力で逃げ出せば助かる可能性がありました。
純粋な心
この寓話を読んで、もう一つの教訓を導き出しました。
それは、『深読みしすぎて純粋な心を忘れてはならない』ということです。
鶏は、「もしかしたら狐は本当に一緒に遊びたい」と思っている可能性を早々捨ててしまいました。
確かに狐は鶏を襲うために近づいてきました。
野生の世界で甘い考えは命取りになりますので最悪の状況を予想しなければなりません。
では、人間世界ではどうでしょうか?
自分の思い込みで勝手に相手にレッテルを張ってはいないでしょうか。
自分の考えが決まる前に「もしかしたら」を考えることができたら、また違う思考が広がるはずです。
そうすれば、自分の思い込みで失敗や勘違いが無くなるはずです。
まとめ
どうだったでしょうか?
- 賢い人になるためには、パニックにならずに対応することが大切。
- 自分の思考をめぐらせる時に、自分以外の人の思考と行動も予測したうえで自分の行動を決めることが重要。
- ただ、深読みしすぎて「もしかして」を見落としてしまうことを気を付ける。
周りの生き物の思考を考えることができなかった狐にならないように。
純粋な心を「もしかして」と考慮することができなかった鶏にならないように。
思考は、すればするほどうまくできるようになります。
そして思考をめぐらせることは生きていく中で必要な能力です。
どんどん思考をめぐらせましょう。