神さまだって、できないことがある!
僕の前に現れた老紳士。不思議な出会いがもたらした、かけがえのない時―。
目次
僕が神さまと過ごした日々
こんにちは、ぴえ郎です。
今回書薦するのは、
『ちいさなちいさな王様』のハッケ&ゾーヴァのコンビによる最新刊!
【僕の神さまと過ごした日々】です。
この本は、
- 星の王子様好き
- 絵本が好き
- 考察好き
こんな方にぴったりの本です。
あらすじ等を知る前に読みたいという方はここからどうぞ!
あらすじ
僕が、体長二十五センチ程しかない事務ゾウと家の近くにある墓地をさんぽしているときにある『老紳士』と出逢った。その老紳士は、クッションみたいな雨雲が道を通せんぼしたり、巨大なライオンの石像の火の輪くぐりをさせてみたり、温室の中にいる巨大蜂を観察させてくれたり、老紳士はいろいろな普通じゃないものを見せてくれた。そして、老紳士は自らのことをこの世界の創造主だという・・・
書籍詳細
著者と初版日
著者:アクセル・ハッケ
絵 :ミヒャエル・ゾーヴァ
共訳:那須田淳/木本栄
初版:二〇一九年四月二三日
ページ数
1行42文字
全125ページ
(本編122ページ・訳者2ページ)
まったり神さま系深読み非日常小説
この本に出てくる神さまは、よくある偉ぶった神さまや全知全能などではなく、自らは不完全だと言っています。
そして、生命をつくったのは間違いだった、特に人間は・・・と。
私たちは果たして、生命をつくった神さまの想像通りに生きているでしょうか?
人間の寿命はたかだか100年ほどです。
その一瞬の寿命の中で人間は「憎みあい」、「罵り合い」、「いがみ合い」消費されています。
では、なぜ神様は生命をつくったのか?
この本の神さまは、
「大いなる『どおでもええ』の存在によって、人は何かを決断し、限界を受け入れないで挑戦できるんだ!ただ生きていればいいというわけじゃない、むだに流されるんじゃない、人にまかせるな。思いついたら、自分ができること、したいことをやれ。どのみちそれ以上のことはできん。だからやれ!」
と言っています。
神さまでさえ、まさかこんなに人間が堕落するとは想像はしていなかったようです。
さあ、あなたは神さまを悲しませていないですか?
世界の秘密
神さまはいろいろな不思議なことを僕に見せながら、なぜそれをつくったのか?
それは僕の生きる世界とどう関わりあっているのか?
という世界の秘密を語り合います。
僕には僕の意見があり、もちろん神さまには神さまの意見があります。それぞれの意見はどっちが正解でどっちが不正解ということはないですが、考察していくととても深い気付きに出会います。
もちろんぴえ郎自身も不思議なことに出会うたびに、自分自身の生活とこの不思議なものはどのように関わっているのだろうと考察が止まりませんでした!
綺麗な挿絵
ハッケ&ゾーヴァのコンビの小説は初めて読みましたが、ストーリーもさることながらゾーヴァのやさしい挿絵が素晴らしい!
ソーヴァの絵は、やわらかいタッチなので現実なのか非現実なのかあやふやな本との相性ばっちりです。
こんな絵を描いてみたい!
まとめ
どうだったでしょうか?
読めば読むほど、話を進めれば進めるほど不思議なことが次々と起きます。
けれど、どことなくその不思議なことと読者の生きている世界がつながるのを感じることができる本です。
これは読んだ人だけが得られる感覚ではないでしょうか!
ぜひ、その感覚を味わって、どっぷりと『僕が神さまと過ごした日々』を堪能してみてください。