他人と比べる危険性と解決法【絵本】ライオンのこころ

 

つよくて、やさしい

こころを育てる絵本

世界41か国で読まれる150万部のベストセラー!

 

「もう1回読んで!」がとまらない!

からだの大きさや、ちからの強さに関係なく、みんなが夢をもち、

やりたいことができると、勇気をあたえてくれる絵本です。

 

こんにちは!ぴえ郎です!

 

人それぞれ一つは劣等感ーインフェリオリティーコンプレックス(inferiority complex)を持っていると思います。

背が低い、収入が少ない、学歴が低いetc…

 

逆に他人にマウントをとれることでは優越感を感じると思います。

今回紹介する絵本は、優越感の象徴的なライオンと劣等感の象徴的なネズミの関係性がキーポイントのお話になっています。

優越感や劣等感を感じているときに大事なことをわかりやすく描いている物語なので大人でも、もちろん子どもでも楽しめる絵本です。

 

それでは、あらすじへ!

 

ライオンのこころ

からだが ちいさい ネズミの くらしは

だれにも きづいてもらえず ふんだり けったり。

いっぽう からだも こえも おおきい

ライオンは みんなの あこがれ。

あるひ ねずみは じぶんも ほえることができれば

みんなに きづいてもらえると ひらめきます。

ネズミは ほえかたを おしえてもらうため

ライオンに あいにいきます。

 

 

考察を読む前に新鮮な気持ちで読みたい方はこちらからどうぞ!

 

絵本の詳細

タイトル:ライオンのこころ

 

初版発行:2021年12月1日
3刷発行:2022年4月1日

 

文:レイチェル・ブライト
絵:ジム・フィールド
訳:安藤サクラ

 

日本版デザイン:佐藤亜沙美(サトウサンカイ)
日本版編集:荒木重光

発行人:内野峰樹
発売所:株式会社トゥーヴァージンズ
印刷・製本 共同印刷株式会社

レイチェル・ブライト

数々の賞を受賞し、41カ国語に翻訳されたミリオンセラーをもつ絵本作家。海の近くにある版画工房で、新しいアイデアを思い浮かべながらインクまみれの午後を過ごすことが何よりも好き。海外で絶大な人気を博する彼女の翻訳絵本は、本作が日本初となる。

ジム・フィールド

イラストレーター、キャラクターデザイナー、アニメーションディレクター。ロアルド・ダール賞、英イブニング・スタンダード・オスカー賞など多数受賞。ジムは現在、妻と娘、そして小さくて不機嫌な猫といっしょにパリに住んでいる。

安藤サクラ

2018年10月より放送のNHK連続テレビ小説『まんぷく』の主人公・立花福子を演じる。同年、主演した是枝裕和監督の映画『万引き家族』がカンヌ国際映画祭にてパルムドールを受賞。今回の『ライオンのこころ』が初の翻訳絵本となる。

対照的な2匹

この絵本に登場するネズミとライオンは対照的に描かれています。

ライオンはゴツゴツいわのてっぺんに住んでおり、声も大きいし、力もあるし、周りから羨望のまなざしで見られています。

一方、ネズミはゴツゴツいわのふもとの小さな家に住んでおり、声も小さく、力もない、周りの誰からも気づいてもらえない。

圧倒的に幸福度が高そうなライオンと圧倒的に幸福度が低そうなネズミ。

住処も、体の大きさも周りからの見られ方もすべて対照的な2匹は似ても似つかない存在に見えます。

しかし、2匹には大きな共通点があります。

その共通点こそが2匹の幸福度に関わってきます。

2匹の共通点

対照的な2匹の最大の共通点は・・・

他と比べて自らを評価しているところです。

 

ライオンは他の動物と自らを比べて自分は優れていると評価し、

ネズミはライオンと自らを比べて自分は劣っていると評価しています。

 

この他と比べて自らを評価するという行為はとても危険です。

なぜなら、基準が相手に設定されているからです。

相手を基準にして、自分は基準の上にいるのか下にいるのか。

その結果で、優越感や劣等感を感じてしまう。

また、基準もあやふやでライオンは自らの優れていると思える部分しか基準で考えず、ネズミは自らの劣っている部分しか基準を考えていません。

これでは本当の幸福は得られません。

 

こんなネズミですが、やはり主人公ということもあり読者はネガティブなネズミに感情移入します。

「ネズミは可哀そう!」「ライオンはスゴイ!」

しかし、読み進めていくとその考えが一変します。

なぜならネズミがあることをするからです。

ネズミの行動

自分に足りない物や他人と比べ劣っていることを見つけるのが得意なネズミ。

「どうしたらライオンみたいになれるだろう?」と考えます。

そして、ある夜思いつきます。

「ライオンみたいに咆えることが出来れば皆に気づいてもらえる!」

ネズミはすぐにライオンに咆え方を教わりに出かけます。

 

この時ネズミが行ったのは、『分析と実行』です。

分析

ネズミはある夜、自らの問題を解決すべく自問自答し、自身を分析しました。

Q1. 自分はライオンと比べ劣っていると思い劣等感に苛まれているけれど、なぜライオンを意識しているのだろう?
A1. ライオンが羨ましいから

 

Q2. なぜ羨ましい?
A2. 周りから羨望のまなざしで見られているから

 

Q3. 周りから羨望のまなざしで見られるには何が必要?
A3. 自分の存在を気づいてもらうこと

 

Q4. では、ライオンは自分の存在を気づいてもらうために何をしている?
A4. 大きな声で咆えている

いつまでもただただ相手と自分を比べて劣等感を感じているのではなく、

この様に基準を自分において自己分析し、問題の原因や解決策を導き出すことが重要です。

この時点でネズミは他と比べて自らを評価することをやめ、自分自身に向き合うことが出来ました。

実行

次に大切なのが『実行する』ということです。

いくら自己分析をして問題の解決策を思いついたとしてもそれを実行しなければ意味がありません。

ネズミはすぐに咆え方をライオンに直接聞くべくゴツゴツいわを上り、ライオンの元へ向かおうとします。

しかし、その行動を妨げる大きな感情がありました。

恐怖です。

ライオンに食べられてしまうかもしれない恐怖。

でもネズミは「いまはいくとき!」と恐怖に打ち勝ち実行しました。

この行動が全てを変える行動になります。

ライオンの真偽

ネズミはなんとかゴツゴツいわを上りライオンの元へ行きました。

ライオンに見つめられる中、「咆え方を教えてほしい」と言うと思わぬ反応が返ってきました。

 

ライオンは飛び上がって震えてしまったのです。

なんと弱点の無いように見えたライオンは実はネズミが怖かったのです。

ここでネズミは皆に言いふらすことも偉そうにするわけでもなく、

「ぼくは怖くない、ともだちだもの」と声を掛けます。

ネズミは弱い者の気持ちが痛いほどわかるからこのような行動をしたのでしょう。

その結果、最愛の友達になることが出来ました。

ネズミとライオンのこころ

絵本を読み終わり、最初に感じた教訓は、『自己分析と実行は重要』ということです。

これをすることによりネズミは人生を変えることが出来ました。

でも、それでは絵本のタイトルは「ネズミのこころ」になるはずです。

しかし、この絵本のタイトルが「ライオンのこころ」であるということは、レイチェル・ブライトは『自己分析と実行の重要性』よりも『身体の大きさや力の強さは夢を叶えるのに重要なことではない』ということが言いたいのではないでしょうか。

ライオンは身体の大きさや力の強さなど見られ方や見栄を重視し生きてきました。

しかし、自分よりも身体は小さく力も弱いネズミが夢を叶えるべく恐怖に打ち勝ち夢を叶えようとしている姿を見て、ライオンのこころが変わります。

見た目や見栄は重要ではなく、自分の気持ちすなわちこころが重要だと気づいたのです。

まとめ

 

どうだったでしょうか?

  • 対照的なネズミとライオンの最大の共通点は、他と比べて自らを評価しているところ
  • 基準を相手に設定してしまうと間違った優越感や劣等感を感じてしまう
  • ネズミは『分析と実行』により人生を逆転した
  • 『身体の大きさや力の強さは夢を叶えるのに重要なことではない』
  • 見た目や見栄は重要ではなく、自分の気持ちすなわちこころが重要

ライオンは身体は大きいけれど繊細、ネズミは身体が小さいけれど大胆。

大人になるにつれ、様々なコンプレックスを感じてしまいます。

しかし、重要なのはこころ

自分のこころの声を聴いて幸福度を上げていきましょう!

 

3歳の息子が大好きなお気に入りの絵本です!

たしかに「もう一回読んで!」と言われます 笑

 

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