皆さんは、仕事や遊びの【モチベーション】をどのように維持していますか?
そのモチベーションの維持の仕方間違っているかも?
この寓話は、
- モチベーションの上げ方を知りたい方
- 長時間モチベーションを維持する方法を知りたい方
- リーダーシップを手に入れたい方
- 部下への指示の仕方がわからない方
※悪用禁止な内容が含まれています。
目次
3人のレンガ職人
今回の寓話には3人のレンガ職人が登場します。
自分がどのタイプのレンガ職人か考えながら読んでみてください。
それでは、あらすじへ。
あらすじ
ある旅人が町はずれの一本道を歩いていると、道端に一人の男が難しい顔をしながらレンガを積み上げていました。
旅人は気になりその男に、
「何をされているのですか?」
と訪ねました。
男は、
「何をしてるかって見ての通り、レンガを積み上げているんだ。朝から晩まで来る日も来る日もただただレンガを積み上げる日々で身体も心もボロボロさ。」と疲れた顔で言いました。
旅人は
「頑張ってください」
と慰めの言葉を残し、その場を離れました。
しばらく行くと、また別のレンガ職人に出会いました。
旅人は先ほどのレンガ職人と同じ質問を訪ねました。
「何をされているのですか?」
すると2人目のレンガ職人は、
「見ての通り、壁を作っているんだ。」
「大変な仕事ですね。」
「大変だなんてとんでもない!
この仕事で給料をもらい、妻と子供と暮らしていけているんだ。
文句を言ったら罰が当たる。」
「なるほど。頑張ってください。」
と労りの言葉を残し、再び歩を進めました。
すると、3人目のレンガ職人と出会いました。
旅人は2人のレンガ職人と同じ質問を訪ねました。
「何をされているのですか?」
3人目のレンガ職人は答えました。
「歴史に残る偉大な大聖堂を造っているんだ!
ここでたくさんの人が祝福を受け、悲しみを払うんだ!
素晴らしいだろう?」
「それは素晴らしい!」
旅人はその男にお礼の言葉を残して、さらに歩を進めました。
目的意識の重要性
この寓話の教訓は、「目的意識をしっかり持ち、行動する。」ということです。
人は、なにか行動をするときに無意識にモチベーション=動機づけを行います。
つまり、行動を起こす前にその行動をすることによって何を達成できるのか、行動の「目的」を考えます。
しかし、この動機づけが上手く行えずモチベーションを高く保てない人が大勢います。
「大胆な行動を起こす」又は「長期的にモチベーションを維持する」には、しっかりとした目的意識が必要なのです。
3人のレンガ職人の比較
では3人のレンガ職人の目的意識はどうでしょうか?
3人のセリフから考察してみましょう。
- 誰かのために行っているわけではない。
- 何を造っているかを明確に意識していない。
- 目的達成後、どのような結果をもたらすか予測していない。
- 家族のために行っている。
- レンガを積み上げて、何を造っているのか明確に意識している(この場合壁)。
- 目的達成後、どのような結果をもたらすか予測していない。
ここでたくさんの人が祝福を受け、悲しみを払うんだ!
素晴らしいだろう?」
- 不特定多数の人のために行っている。
- レンガを積み上げて、何を造っているのか明確に意識している(この場合大聖堂)。
- 目的達成後、どのような結果をもたらすか予測している。
この3人のレンガ職人を比較したときに、誰が一番モチベーションを高く持ち、長時間維持できると思いますか?
もちろん3人目のレンガ職人です。
3人のレンガ職人は、同じレンガを積み上げるという行動をしていたにもかかわらず、大きなモチベーションの差が生まれました。
このモチベーションの差は、【奉仕精神、目的意識、結果予測】の3つが明確になっているか、否かであり、効率や成果に大きな差を生みます。
ABC理論
モチベーションを保つ上で知っておいてもらいたいのが、「ABC理論」という考え方です。
ABC理論とは、アルバート・エリス(Albert Ellis)が1955年に考え出した「論理療法」の中心概念です。
これは、人は、出来事(Activating event)に対して結果(Consequence)があるのではなく、出来事と結果の間に信念(Belief)が存在するという考え方です。
要するに、
感情は出来事が原因で生み出されるではなく、自分自身の解釈の仕方によって様々な結果へ導かれるという考え方です。
このABC理論を3人のレンガ職人の物語に照らし合わせると、
3人のレンガ職人は、【レンガを積む】という『出来事(Activating event)』に違いはないが、その出来事を各々のレンガ職人自身の『信念(Belief)』により【どう解釈し行動したか】によって『結果(Consequence)』が変わり、【レンガを積むことのモチベーションへの差】が生じた。
となります。
出来事はコントロールできませんが、出来事と結果の間にある信念は努力次第でコントロールすることができます。
これを意識することでモチベーションが上がり、長時間維持することができるようになります。
ABC理論を日常の生活へ応用すると
ABC理論は物語上での話ではなく、日常生活でとても役に立ちます。
日常生活でどんなに嫌なことや辛いことがあったとしても、その出来事を意識的にポジティブな捉え方をするようにすれば結果はネガティブな捉え方をした時よりも良いものになります。
しかし、最初はどうしてもネガティブな捉え方をしてしまったとしても、意識的にポジティブな捉え方をするように努力を重ねれば意識しなくても良い方向に物事を捉えられるようになります。
悪用禁止! 部下への指示の仕方
3人のレンガ職人のもう一つの教訓は「部下への頼みごとや指示をするときは、目的意識を明確にしてあげる」ということです。
あなたが部下へ頼みごとや指示をするとき、どのような説明をしていますか?
優秀なリーダーは、頼みごとや指示をするとき、3人目のレンガ職人の思考になるように説明をします。
結果、モチベーションが高く、効率的に仕事をしてもらえます。
しかし、多数のリーダーは1人目のレンガ職人の思考になるようにしか説明ができないため、モチベーションが低く、非効率的にしか仕事をしてもらえません。
優秀なリーダーと凡リーダーの違いは、上で説明した通り『目的をしっかり意識させるかどうか』です。
優秀なリーダーは指示を出す時にこの仕事は、
- 誰のためにするのか
- 何のためにするのか
- どのような未来になるか
なぜなら、そのひと手間で結果は大きく変わることを知っているからです。
まとめ
どうだったでしょうか?
自分が行動するときに、3人のレンガ職人の誰の思考になるかは自分の捉え方次第で大きく左右されます。
もちろん同じ行動ならばモチベーションが高いほうが良い結果がでます。
【奉仕精神、目的意識、結果予測】をしっかり意識してモチベーションを高く保ちましょう。
捉え方をどう意識するかは、あなた次第です。
そして、【奉仕精神、目的意識、結果予測】は指示を出すときにも有効です。
意識して説明すれば、より良い結果をもたらします。