『八方美人』と言われたことはないですか?
または、
自分は『八方美人』だと思ったことはないですか?
今回紹介する卑怯なコウモリは、そんな八方美人さんへの寓話です。
目次
卑怯なコウモリ
この寓話の教訓を通して、
- 八方美人のメリットとデメリット
- 卑怯なコウモリにならないために、八方美人の脱却方法
それではあらすじへ。
あらすじ
むかしむかし、獣一族と鳥一族が強さを争って喧嘩していた。
その様子を見ていたズル賢い一羽のコウモリは、獣一族が有利になると
「私は全身に毛が生えているので獣の仲間です」
と言い、獣一族の仲間に加わった。
しかし、鳥一族が有利になると
「私は羽があるので鳥の仲間です」
と言い、鳥一族の仲間に加わった。
時はたち、獣と鳥が和解し、喧嘩が終わりを迎えた。
だが、幾度もの寝返りをくり返し、双方に良い顔をしたコウモリは、獣からも鳥からも仲間外れにされてしまった。
「お前のような卑怯者は二度と僕らの前に出てくるな!」
と双方から言われ居場所がなくなったコウモリは、やがて昼は暗い洞窟の中に身を潜め、獣と鳥が寝静まった夜だけ飛んでくるようになった。
矛盾の関係
この寓話の教訓は、「双方に良い顔をしていると、後でしっぺ返しを食らう」ということです。
コウモリは、双方に都合の良いことを言い、自らを偽って仲間に入れてもらっていました。
しかし、獣一族にすり寄っているのを鳥一族は知っていましたし、鳥一族にすり寄っているのを獣一族は知っていました。
コウモリは、どちらとも仲間であるが故にどちらからも敵という関係になってしまったのです。
八方美人は存在するのか?
八方美人とは?
人間関係でも同じことが言えます。
人間界ではこの卑怯なコウモリのことを『八方美人』といいます。
八方というのは「東、西、南、北」の四方と「東西、南北、東北、南西」の四方を合わせて八方と言われています。
この八方のどこから見ても美人ということから、もともとは「欠点のない美人」というポジティブな使われ方をしていたようですが、現在は「八方すべてに良い面を見せている人」というネガティブな使われ方をしています。
八方美人は努力家?
ぴえ郎は、八方美人は相当な努力家であると思います。
なぜなら、八方すべてに自分の良い面を見せるなんて努力なしでできると思いますか?
言い換えれば、八方すべてに気を使っているということです。
むしろ最近は八方どころか、上(上司や先輩)や下(部下や後輩)に必要以上な気を使い、『十方美人』なんて人もよく見かけます。
卑怯なコウモリのように二方向ならまだしも八方や十方に気を使わなければならないなんて考えただけで気が遠くなる・・・
八方美人のメリットとデメリット
ではなぜ、八方美人が多いのか?
メリットとデメリットを出し解説します。
- 気配り上手になれる
- 周りからの評価が一定以上獲得できる
- 自分に自信がつく
- コミュニティが増える
解説
まず、気配り上手になれる!これは大きなメリットだと思います。
先ほども言いましたが八方美人さんは周りすべての人に気を配れるので、少しの見た目の変化や感情の変化を敏感に察知できます。
すると、周りからの評価が一定以上獲得でき、仲間が多い自分に自信がつきます。
そして自分に自信があるからさらに八方美人の輪を広げていく。
素晴らしいサイクルに見えますが、これはあるポイントを考慮しなくては最悪の事態を招きます。
広げ過ぎ注意!広げ過ぎてしまうとある落とし穴に落ちる確率が高まります。
- 他人の目が気になり、自分が制限されてしまう
- 素の自分を見失ってしまう
- ストレスがたまる
解説
メリットをたくさん書きましたが、八方美人を長期間続けると明らかにデメリットの方が大きくなります。
まず、八方美人さんは『周りからよく見られたい』と常に思っています。
逆に言うと『周りからよく見られないことはしない』と思っているということです。すなわち、他人の行動や言動、感情を敏感に感じ取り、悪く思われないように自分の行動や言動、感情を決めているということです。
この自分の偽りの感情をコントロールするのはとても重労働なのでストレスがたまります・・・
そして、この作業をくり返していると自分の素の行動や言動、感情がわからなくなってしまうという恐ろしいことになります!
八方美人の落とし穴
八方美人の落とし穴。
それは、卑怯なコウモリ状態になることです。
簡単に言うと、自分が八方美人をしているコミュニティ内で紛争勃発!内部分裂まったなし!状態のことです。
八方美人を長期に渡り続けている八方美人スペシャリストの方は経験があると思います。
- 長期間八方美人を続けている
- コミュニティを広げ過ぎている
八方美人を脱却する方法
八方美人を脱却する3つの方法を紹介します。
それは、
- 自分自身を認める
- 嫌われる勇気をもつ
- 素のままの自分を認めてくれる人を探す
まず、【素の自分自身を認める】ことが大切です。
八方美人をして偽りの自信をつけるのではなく、素の自分を認めてあげてください。
自分自身は唯一無二の存在です。
必要以上に偽る必要はありません。
自分の良いところ、悪いところすべて含めて自分自身だということを認めるところから始めましょう。
次に【嫌われる勇気】を持ちましょう!(少し前に同じタイトルの本が流行りましたね!)
もちろん自ら嫌われに行けということではありません。
嫌われても構わないという強い気持ちを持ってほしいということです。
八方美人さんは、嫌われたくない気持ちが強いので自分の意見や主張を押し殺しがちです。
しかし、八方美人を脱却するには、今まで押し殺してきた自分の意見や主張を相手に伝えることが大切です。
そして、素のままの自分を認めてくれる人を探すことです。
これが一番難しいかもしれません!
しかし、よく考えてください!
誰からも嫌われていない人が存在すると思いますか?
逆に、誰からも嫌われている人が存在すると思いますか?
どちらも存在しないんです。
だからあなたの素のままの自分を認めてくれる人は必ずいます。
八方美人をしている時間を素のままの自分を認めてくれる人を探す時間に費やしましょう。
まとめ
どうだったでしょうか?
卑怯卑怯と言われているコウモリも生き抜くことに必死だったのかもしれません。
まあなぜそこまでして喧嘩に加わりたかったかは謎なんですが・・・
コウモリも自分が獣一族なのか鳥一族なのか悩んでいたのでしょう。
八方美人さんに最後に一つだけ忠告します!
八方美人をしている先々で誰かを攻撃することはやめましょう!