行動するときに気を付けたいこと。【寓話】海綿を背負ったロバと塩を背負ったロバ

二匹のロバ

「自分ができたのだから、相手もできるはず」
このような考えはとても危険な場合があります。

ここで紹介する寓話は、あまり知られていないですが様々な教訓が詰まっています。

海綿を背負ったロバと塩を背負ったロバ

この寓話は17世紀のフランスの詩人ラ・フォンテーヌがイソップ寓話の「塩を背負ったロバ」をもとにつくった寓話です。
イソップ寓話の塩を背負ったロバとは少し登場人物が異なり、教訓も異なるものになります。

それでは、あらすじへ。

あらすじ

ひとりのロバ引きの男が、二頭のロバを従えて歩いていた。
一頭は海綿を背負って軽快に歩き、
もう一頭は塩を背負って慎重に歩いていた。

山を越え、谷を渡り、やっと川の浅瀬にたどり着いた。

この浅瀬を毎日渡っているロバ引きは、いつものように海綿を背負ったロバに跨り、もう一頭のロバを前方に追い立てながら進んだ。

すると、前方を歩いていたロバが川底のくぼみに嵌ってしまった。
何度も水を掻き分けているあいだに、背中の上の塩が水に溶けて積荷が軽くなり、なんとか水面に顔を出すことができて逃れることができた。

海綿を背負ったロバはそれを見て、ロバ引きもろとも首まで水に浸かった。

たっぷりと水を吸い込んだ海綿は、とても重くなった。
ロバは耐え切れなくなって岸までたどり着くことができなくなった。

ロバ引きは無我夢中でロバにしがみつき、一瞬死ぬのではないかと思った。

その時だれかが助けてくれて事なきを得た。

人それぞれ

この寓話の教訓は、「だれもが同じように行動すべきではない。」ということです。

海綿を背負ったロバは、塩を背負ったロバの川の渡り方を見て、「自分も同じようにすれば同じように川を渡れる」と思ってしまいました。
それどころか海綿を背負ったロバは自分の方が軽いものを背負っているため、塩を背負ったロバよりも簡単に川を渡れると思っていたに違いありません。

しかし、その思い込みで海綿は水を吸い過ぎて溺れてしまいました。

これは私たち人間でも同じことが言えます。

「あの人ができたのだから、私にもできる」と、
考えなしに他人の真似をしても成功することは少ないです。

なぜなら、人それぞれに人生経験考え周りの環境等が違いますので他人と同じ結果を求めて同じ行動をとったとしても、同じ結果になるとは限らないからです。

大事なのは、考えなしに他人の真似をするのではなく、今現在の状況を理解して自身で深く考えてから行動するということです。

もう一つの教訓

ラ・フォンテーヌはこの話の教訓は「だれもが同じように行動すべきではない。」ということであると言っています。

しかし、「自分への課題は環境や時間経過によって変化する」という教訓も考えることができます。

塩を背負ったロバは、川に入って足を取られてしまい、その塩の重みで早くに沈んでしまいましたが環境や時間経過によって塩の重みが無くなり助かりました。
逆に海綿を背負ったロバは、川に入った時は海綿にさほどの重みは感じませんでしたが環境や時間経過によって海綿が水を吸い自分の力ではどうすることもできなくなってしましました。

このように、いくら良い状況であっても環境や時間経過によって状況は一変し、突然悪化する可能性もありえます。また、悪い状況が突然好転することもありえます。

自分の行動の結果は、どのような行動をしたかということ以外に周りの環境や時間によって大きく左右されます
なので、周りの環境や時間を考慮した行動をとれば、それは大きく成功する確率をグッと上げることになります。

まとめ

どうだったでしょうか?
あまり知られていない寓話ですが、大事なことが二つ読み取ることができました。

一つは、『考えなしに他人の真似をするのではなく、今現在の状況を理解して自身で深く考えてから行動する』ということ、

二つ目は、『行動をして成功したいなら、周りの環境や時間を考慮した行動をとる』。ということです。

寓話というのは、「この話の教訓はこれだよ」と提示されている場合もあります。
しかし、公式な教訓以外にも探せば自分なりの教訓が見つかります。

そして、自分で見つけた教訓は自信に味方になってくれるでしょう。

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