こんにちは!ぴえ郎です!
『猿猴が月を取る』ということわざを聞いたことはないでしょうか?
このことわざは、ある寓話をもとに作られたものです。
思い込みをしやすい方やリーダーシップの取り方がわからない方等は
ぜひ読んでいってください!
では、あらすじへ。
目次
猿と井戸の月
あらすじ
ある森に500匹の猿が住んでいた。
満月の夜に猿たちは大きな樹の下に井戸があるのをみつけた。
井戸の中を覗くと天上に輝く真ん丸い月が映っていた。
井戸内を覗いた猿の王様は、他の猿たちに言った。
「見ろ!お月様が井戸の中に落ちている!
あのお月様を拾い上げて、世の中を明るく照らそうではないか!」
それを聞いた猿たちは、
「どうやって月を拾い上げるんですか?」と聞いた。
猿の王様は、
「しっかり心得ている。
まず私がこの樹の枝を掴むから、一番身体の大きいやつが私の尾に掴まるのだ。
その次に身体の大きいやつがそいつの尾に掴まる。
それを繰り返し井戸の中に入っていき、最後の猿が月を拾い上げればよい。」
猿たちは沸き立ち、さっそく実行にうつした。
まず猿の王様が枝に掴まり、その尾に次の猿が掴まり、その尾に次の猿が掴まりを繰り返し、
順調に井戸の中に降りていき、
最後の猿が手を伸ばし月を拾い上げようと手を伸ばした瞬間に枝が重みに耐えきれずポキンと折れた。
500匹の猿たちはドボンと井戸に落ち、溺れて死んでしまった。
分不相応
この寓話の教訓は、『身の程知らずな行動をすると大変な目に合う』です。
猿の王様は、月が井戸水に映っているのを見て
「井戸の中が光っている」ではなく、「月が落ちている」と反応しました。
ということは、常々夜空に輝く月が欲しいと考えていたのでしょう。
そんな手の届かない、手に入れることのできない『月』を手に入れるチャンスだと思い込んでしまいました。
しかし、実際は月を手に入れることはできません。
自らの立ち位置や身の程を考えず、大きすぎるものを求めすぎてしまったため、
猿たちは教訓のように大変な目にあってしまいました。
では、身の程を知るにはどうしたらよいのか?
2つの回避方法を紹介します。
猿の王様の本性
月が欲しい理由
そのそも、なぜ猿の王様は月が欲しいのでしょう?
物語では、
「世の中を明るく照らそうではないか!」
と言っています。
世の中を明るく照らすために月が欲しいというのはとても素晴らしい理由に聞こえます。
しかし、猿の王様は本当に世の中を明るく照らすために月が欲しかったのでしょうか?
おそらく答えは『NO』です。
なぜ、NOなのかを説明します。
森
500匹の猿たちは森の中にいました。
木々が生い茂っていて暗いはずの森の中に居たにも関わらず、井戸を見つけました。
ということは、月明かりで井戸が照らされていたことになります。
森は昼間だって薄暗いのに月明かりで井戸が見えたとすると相当な明るさであったと予想できます。
そんな十分に明るい月をわざわざ手に入れる必要はあるでしょうか?
たしかに月には周期があり、満月から次の満月までは30日弱と言われています。
その間は満月ほど明るくないから一番明るい満月が欲しいと思ったのかもしれません。
しかし、それでは「世の中を明るく照らす」ではなく「我らのみを明るく照らす」になってしまいます。
これでは素晴らしい考え方とは言えません。
そもそも暗くなるのは太陽がいなくなってしまうのが原因なので、月よりも太陽を手に入れる方が手っ取り早いのではないでしょうか?
まあ、見るからに暑くて、明るすぎて直視できない太陽を欲しがらないのは納得できますが・・・
独り占め
結局は、猿の王様は夜空に輝く美しい月を独り占めしたいと考えていたと予想できます。
おそらく以前から、月を手に入れるために500匹の猿を肩車したり、森で一番大きな樹の天辺に上ったり様々な挑戦をしたことでしょう。
その努力は素晴らしいものです。
しかし、その強い思いがあったからゆえに「月が落ちている」という思い込みを拭うことができませんでした。
井の中の蛙にならない様、森の中の猿にならない様に、
身の程を弁えるには、
月が夜空になければ猿以外の生き物が困ってしまうという客観的な考えを持つことが大切です。
確認
では、猿の王様は「月が落ちている」ということが思い込みだと気づくタイミングはなかったのでしょうか?
おそらく2度は気づけるタイミングはありました。
1度目は、月が井戸に落ちていると気づいた際に確認のために空を見上げれば確かめられました。
2度目は、樹の枝を掴むために上を向いた際に夜空に月があることを確認できたはずです。
いずれにしろ、猿の王様は確認不足により2回の気づけるタイミングを無駄にしてしまった。
どちらかで気づけていたら命を落とさずに済んだかもしれません。
このことから、身の程を弁えずに突っ走る前に、一旦落ち着き確認するというのが大切だとわかります。
これからやろうとしている行動は、「正しいのか?」「目標に沿っているのか?」を確認すればこの寓話のような最悪な状況は避けられます。
王様とリーダー
この寓話を読んで導き出したもう一つの教訓は、『良いリーダーは先頭を走る』ということです。
ここまで考察してみて、猿の王様は愚か者のように感じられるとおもいます。
しかし、素晴らしいところもあります。
王様は、月を拾う方法を提示し、しっかり説明をしました。
そして、自ら実践して猿たちに見せ、1番辛い先頭をかってでました。
もちろん、自分の月が欲しい気持ちが強いから当たり前と捉えることもできますが、
「月を拾ってもってこい」と言ってもおかしくない立場にいるのに、この行動は群れのリーダーに相応しい行動です。
物事を円滑に進めるために指示することも大事ですが、
リーダーは群れの一歩先を歩き、群れが歩きやすいように道を作ることが重要です。
なので、猿の王様は優れたリーダーであると言えます。
まとめ
どうだったでしょうか?
単純ですがいろいろと学ぶところがある寓話だと思います。
この寓話で得たことは、
- この寓話の教訓は、『身の程知らずな行動をすると大変な目に合う』。
- 身の程を知るには、「客観的な視点を持つ」ことと「思い込まず、一旦確認する」ことが大切。
- リーダーは群れの一歩先を歩き、群れが歩きやすいように道を作ることが重要。
この3つです。
みなさんもこの寓話で新しい考察をしてみてください!
もし猿の王様が言っていた「世の中を明るく照らそう」の意味が
『猿の王様が月を拾った』というニュースで暗い雰囲気の世の中を明るくするという理由だったら、最高な王様だと思う(笑