私たちの周りには思考や行動、感情などを左右するものがたくさんあります。
その一つが「色」です。
私たちが過ごしている世界には、当たり前のように様々な「色」が存在しています。
そんな当たり前にある色が、私たちに様々な影響を及ぼしていることを知っているでしょうか?
今回は、
- 色彩によって人はどのような影響を受けているか
- 色彩を使って自分への影響をコントロールする方法
を紹介します。
目次
色とは
そもそも人はどのようにして色を認識しているのか。
太陽や電球などの光源が物体に届くと、ある一定の波長のみ反射し、他は吸収します。
その反射した波長が目の視細胞に届き、視神経を通して脳まで到達して様々な色を認識しています。
なので、反射した波長が最も長ければ赤色、最も短ければ紫色のように、色の違いは波長の長短で決まっています。
ちなみに、物体がすべての光を反射し、目に届いた状態を白色と認識します。
反対に、物体がすべての光を吸収し、目に届く光がない状態を黒色と認識します。
色彩によって人はどのような影響を受けているか
昭和35年(1960)、現在と同じく赤外線を使用した電気こたつが発売されました。しかし、売れ行きは悪く製作者は悩みました。
というのも、電気こたつが暖かくなるのは実証済みだったのですが、客から「本当に暖かかくなるかわからない」との意見が多数寄せられたからです。
製作者は一目で暖かいというのを認識してもらえるように従来の白色電球から、赤色電球に変えたところ、飛ぶように売れたとのことです。
このように、人は知らず知らずの内に色の影響を受けています。
白色電球でも赤色電球でも赤外線で暖かくしているため、暖かさは変わらないはずです。
しかし、赤色は暖色なので人は暖かさを感じてしまいます。
他にも色によって影響をもたらすものを紹介します。
暖色と寒色
電気こたつの話でもあるように、暖かさを感じさせる色を暖色といい、寒さや冷たさを感じさせる色を寒色と言います。
暖色は、赤、橙、黄色などが該当します。
寒色は、青紫、青、青緑などが該当します。
興奮色と沈静色
見ることによって興奮感を与えてくる色を興奮色といい、見ることによって沈静感を与えてくる色が沈静感といいます。
興奮色は、暖色系で彩度が高い色が該当します。(上記暖色系+桃色系統)
沈静色は、寒色系で彩度が低い色が該当します。(上記寒色系+緑色系統)
柔らかい色と硬い色
暖色系で彩度が低い色(薄い色)は柔らかく見え、寒色系で彩度が高い色(濃い色)は硬く見えます。
進出色と後退色
近くにあるように見える色を進出色といい、遠くにあるように見える色を後退色といいます。
主に、暖色系のように明るい色が近くに見え、寒色系のように暗い色が遠くに見えます。
膨張色と収縮色
もとの大きさよりも膨張して見える色を膨張色と言い、収縮して見える色を収縮色と言います。
色の例は、進出色と後退色と同じ属性になります。
色彩を使って自分への影響をコントロールする方法
暖色や寒色のようにグループではなく、単体でもそれぞれイメージは存在します。
色の影響力を使い、自分自身や他人のイメージを変えるやり方を5色紹介します。
赤色
赤色は、情熱や興奮、高揚などのイメージがあります。
特徴は、波長が最も長く、遠くまで届く特徴があるため、赤信号やサイレンなど遠くからでも目を引けるところに使われることが多いです。
なので、自分を鼓舞したいときや他人の目を引きたいときに赤色を用いることをおススメします。
黄色
黄色は、元気や希望、注意などのイメージがあります。
特徴は、光のように明るく楽しいイメージがある反面、注意喚起するために看板や信号に使われています。
黄色の物を身に着けていると、元気で明るい印象を与えられます。
面接などでネクタイ色でよく使われていますね。
青色
青色は、落ち着きや誠実、爽快感、孤独などのイメージがあります。
特徴は、空や水を連想するため爽快感がある反面、寒色イメージの冷たさや悲しさなどのイメージも与えてしまいます。
緊張しているときや気が立っているときに青色を見ると落ち着きを取り戻すことができます。また相手に信頼感を与えたいときなどに青色を使うと有効です。
白色
白色は、清潔や神聖、純粋などのイメージがあります。
特徴は、光の波長を全反射しているため、最も明るい色です。
白を基調とした部屋にいると新しい気持ちになり、落ち着きも得られます。
また、白の服装や白を身に着けていると、相手に正直・素直・真面目などの印象を与えることができます。
黒色
黒色は、重厚感や高級感、威圧感、恐怖などのイメージがあります。
特徴は、光の波長を反射しないため、最も暗い色です。
黒色は威圧感がある色なので自分の意見を通したいときや威厳を示したいときに有効です。
また、収縮色なので黒色と違う色を並べて配置すると他の色が浮き出て見えます。
まとめ
日常にありふれている色彩ですが、私たちに様々な影響を及ぼしています。
それを知っている人は、看板やロゴマーク、キャラクターなどの色をその色の影響やイメージを利用して使っています。
ファッションや物選びの際に色彩イメージのことをちょっと気にすることによって多大な効果が得られることでしょう。